サーフボードを選ぶ際や調べているときにコンケーブという言葉を聞いたことがあるサーファーの方は多いのではないでしょうか。
もともとサーフボードにコンケーブが無かった頃は全てのボトムデザインは全てフラットでした。
なのでサーフボードの厚さや幅を調整して浮力を変えることでパフォーマンス性能をあげていました。
1986年にオーストラリアのシェイパーのグレッグ・ウェバーによって世界初のコンケーブが開発され、サーフボードに水の流れや揚力を持たせることに成功し、サーフボードの浮力を落として軽くしてもパフォーマンス性能をあげることができる今の時代の主流なボトムデザインとなりました。
コンケーブはいくつかの種類に分かれていて、役割を担っています。
全てのサーフボードにコンケーブがあるわけではないですが、ショートボードに多く施(ほどこ)されている「くぼみ」や「溝(みぞ)」のことです。
今回はそのコンケーブが担う役割といくつかサーフボードのボトムデザインをご紹介したいと思います。
この記事のポイントコンケーブの理解を深めることで、波によってサーフボードを選んだりすることができます☆
目次
コンケーブの部位と役割
コンケーブは全てのサーフボードに施されているわけではなく、ショートボードに施されている場合が多いです。
コンケーブは基本的にはサーフボードのボトム(裏側)に施されていて、くぼみや溝のような形になっています。
このくぼみの形に沿って水が流れることにより、意図的に水流を発生させることでスピードを出しやすくなったり、コントロール性などが向上するなど様々なメリットを得られることができます。
しかし、必ずサーフボードにあればいいというわけではなく、波のコンディションによってはコンケーブが無いもの(フラットボトム)の方がパフォーマンスが上がる場合もあります。
代表的なコンケーブの種類と特徴
シングルコンケーブ
サーフボードのボトムに一つの溝が入っているデザインのシングルコンケーブで得られる最大のメリットは「揚力(ようりょく)」によって波の力で得られるスピードが速くなります。
コンケーブでいう揚力とは、水の流れる方向から垂直に働く力です。
揚力はスピードが出るほどその力は大きくなっていく性質を持っていて、これを最大限にサーフボードに利用しています。
コンケーブが深くなるほど揚力は大きな力で発生しやすいです。
これにより、パドリングに関してもスピードを早めれば揚力による力が大きくなっていくのでパドルが速くなり、楽になります。
一本の水流をサーフボードの下に発生させることで直進性が高まり、まっすぐなラインで進むときにスピードがつきやすいです。
しかしテールに水流の力が一番かかるため、ターンをする際のコントロールが難しくなるというデメリットも出てきます。
後ろ足をうまく使って板をコントロールできるサーファーならばシングルコンケーブの力を100%扱えるでしょう。
また波のコンディションによって影響を受けやすいボトムデザインです。
シングルコンケーブはサーフボードと水面がしっかり合うことで一本の水流を発生させて高い揚力を得られるので、風があまり吹いていない時の海面がクリーンなコンディションで使用することでシングルコンケーブの効果を感じることができるでしょう。
逆に風が吹いていて、海面がざわついている時はサーフボードと水の間にざわつきによる隙間ができるのでシングルコンケーブのくぼみが深いほど揚力を受けにくくなってしまいます。
日本の海では風の影響で海面がざわついているコンディションが多いのでオールラウンダーに使えるボトムデザインとは言えないでしょう。
ターンのテクニックをしっかり持ったサーファーがクリーンなコンディションの海で使うことで爆発的な加速とアクションが可能になるボトムデザインです。
シングル〜ダブルコンケーブ
全面的にダブルコンケーブのみで形成されているボトムデザインはあまり無く、ダブルコンケーブの作りは一般的にノーズはシングルコンケーブで始まり、テールにかけて2つの水流に分かれていくダブルコンケーブを施します。
1つの水流から2つに水流が分かれるところでターンをする際の引っかかりを生みます。
この引っかかりでレールを入れながらターンをするコントロール性能がシングルコンケーブより高まり、安定感もあります。
コンケーブで揚力も発生するので直進性のスピードも得られ、特にサイズが小さく、パワーの無い波でも2つに水流が分かれることでより水流の勢いがつくので揚力が得られやすいです。
なので小波用のパフォーマンスショートボードにこのコンケーブが施されるケースが多いです。
逆に波のサイズが大きい時やパワーがある波で使用すると揚力が大きくなりすぎ、コントロール性が落ちます。
このコンケーブを浅くすることで風などで海面が荒れていても揚力を発生させることができます。
初心者でも問題なく乗れるボトムデザインです。
VEEボトム
他のコンケーブとは違い、山のような形で盛りあがっているボトムデザインです。
最大の性質は速いスピードでもレールを入れるのが容易でコントロールがしやすい形状となります。
スピードボートやジェットスキーの下もこの形になっていることで同じ性質を持っています。
この形になると揚力は発生しにくく、スピードが出づらいので小さくパワーのない波では不安定になるので向いていません。
大きい、パワーのある波でスピードをつけると、レールの切り返しがしやすくコントロール性能を最大に発揮できます。
またシングルコンケーブからテールにかけてVEEボトムにすることでどちらの性質も合わせることができるボトムデザインもあります。
このような複雑なボトムデザインをオーダーする際や選ぶ時はサーフボードのどの辺に足を置くかのスタンスによって乗り味やサーフボードの感覚が変わりますので、自分に合った効果的なボトムデザインを考慮しましょう。
チャンネルボトム
このチャンネルは「水路」という意味で複数のチャンネルを施すことでダブルコンケーブよりも多くの水流を発生させます。
クリーンな波で最大の効果を発揮し、複数の水流による揚力で抜群の加速力でスピードを得られます。
テールにかけてサーフボードの厚さを薄くしていき、4〜6くらいのチャンネルを施すことで板を踏み込んだ時の反応がよくなり、クイックに動きます。
チャンネルを施すと、回転性が落ちると一般的に言われていますが他のサーフボードの要素を組み合わせることでそのデメリットを軽減することもできます。
波のコンディションが悪いとこのチャンネルボトムも効果を発揮しづらくなるのですが、上手いサーファーの方はこのボトムデザインでも揚力を発生させ、加速することができるのでプロやトップアマチュアのサーフボードに施されることが多いボトムデザインの一つです。
関連動画
このサーフボードはデッキ側にもコンケーブを施す工夫がされています。
ボトム側にもダブルボンザーコンケーブという小波でもスムーズなターンができるボトムデザインになっていて、シェイパーの方が詳しく説明してくれます。
まとめ
コンケーブがサーフボードの大事な要素になったことでサーフィンのレベルも上がり、さらなる進化を遂げてきました。
様々なコンケーブによるボトムデザインがサーフボードに施されていますが、波のコンディションによってはコンケーブのないフラットボトムを使った方が波のパワーを受けることができる事もあり、その奥深さから一概に最も良いボトムデザインというものはありません。
波のコンディションや乗る人のスキルや足を置く場所などたくさんの要素で初めてコンケーブの効果が発揮されます。
ボトムデザインを知ることでサーフボードの選択肢も多くなるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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